日時: | 平成22年7月23日 13:00〜16:00 |
場所: | 京都大学稲盛財団記念館2階213号室(地域研セミナー室) |
出席者(敬称略): | 宮崎恒二、林行夫、平野克己、大垣貴志郎/山本博之(運営委員長陪席) |
1.会議にさきだつ7月10日開催の運営委員会の活動報告および要望について
運営委員長より、7月10日に開催された運営委員会の「報告事項」と「審議事項」について確認がなされた。@部会等の新設・廃止を伴わぬ運営委員の部会などへの配置変更および理事会で承認済みの計画・予算の範囲内での活動内容の修正を運営委員会で決定したことを報告事項、A運営委員会の部会などの新設・廃止および予算措置を伴う新規事業の実施については運営委員会での決定を理事会に諮る審議事項として区別した。
運営委員長は、部会ごとに、報告事項と審議事項の両者を一体化して述べたが、本議事録では、両者を分けて以下に記載する。
2.報告事項
1) 次世代支援部会
・ 次世代支援ワークショップの採択結果(応募2、採択2件。予算各40万円を上限)
・ 次世代支援ワークショップを今年度予算範囲内で追加募集(締切9月15日迄)
2) 年次集会部会
・ 今年度の年次集会は2010年11月6日(土)、JCASと上智大学アジア文化研究所との共催で総会=活動報告=(第一部)と一般公開シンポジウム(第二部)、懇親会を実施する。会場借料は発生しない。
・ 福武委員を年次集会部会に加えた。
3) 研究企画部会
・ 今年度の年次集会における一般公開シンポジウムは、日本学術会議地域研究委員会の報告書「地域研究分野の展望」(2010年4月)による提言に対してJCASが応答する形式を要望されているが、内容と進行の詳細については検討中である。
・ 一般公開シンポジウムは、日本学術会議地域研究委員会および地域研究学会連絡協議会との共催とする。
4) 和文雑誌部会 『地域研究』の近未来の特集企画および個別投稿論文を募った。
5) 広報部会
・ JCASのHPは今年度のサーバー委託契約を完了し年度内に内容見直しを実施する。
・ ニューズレターは9月に第9号を発行する。
・ ニューズレターの記事収集を円滑化するため、運営委員の錦田、石井、塩谷、李、小森、立岩の各委員を広報部会ニューズレター情報担当委員とした。
・ 公募プログラム(共同企画研究プログラム、共同企画講座プログラム、次世代支援ワークショップ、オンデマンド・セミナー、学会連携プログラム)の募集を通知するリーフレットを作成中である。
6) 情報資源部会(旧情報資源共有化研究会と地域情報学研究会の統合部会)特になし。
7) 社会連携部会(旧社会連繋研究会)
・ パネル「学術研究と人道支援:2009年西スマトラ地震で壊れたもの・つくられるもの」(2010年6月6日、愛知大学、東南アジア学会第83回研究大会)を含む3件を実施した。
8) 事務局
・ メルマガを16号(および臨時号2号)を発行。登録者の増加を図る工夫が必要。
・ 部会等ごとにメルマガに記事を書き、バックナンバーをHP上で公開、過去の記事を参照可能なものとして認知度を高めていく。
・ 「JCAS案内セット」の作成。既存のパンフレットに加えて新規加盟組織のためにJCASの活動概要や参加方法についてのガイドとする。
9) 地域研究コンソーシアム賞(JCAS賞)検討部会 (詳細は【添付資料】参照)
・ JCAS賞は、9月30日の運営委員会、その後の理事会を経て最終案を作成し、11月の年次集会で承認を求めて来年度から実施する。
10) 地域研究方法論研究会 特になし。
11) 新規プログラム
@ 共同企画研究プログラム
・ 愛知大学国際中国学研究センター、京都大学地域研究統合情報センター、京都大学東南アジア研究所、東南アジア学会の共催により2010年11月3日(祝)に愛知大学車道校舎で「ASEAN・中国19億人市場の誕生とその衝撃(仮)」を実施する計画を本プログラムの第一弾として進めている。
・ 京都ラテンアメリカ研究所と上智大学イベロアメリカ研究所の共催でメキシコ革命に関する企画を調整中。
A 共同企画講座プログラム(複数人による講義)
・ 東京大学駒場キャンパスにて2010年度冬学期に開講される災害・防災に関する講義に講師(6〜7人)を派遣する調整を進めている。
・ 来年度の同上大キャンパスでの講義は紛争・復興がテーマを要望されているため、研究企画部会の協力のもとで人選する。
B オンデマンド・セミナー(単発セミナー)
・ JCASイニシアティブの企画として6月26、27日にジャウィ講読講習会を実施した。
C 学会連携プログラム 特になし。
3.審議事項
主としてそれぞれの部会の活動で生じた要望、新規事業の実施について検討がなされた。
1) 次世代支援部会
・ 運営委員長より、募集年度の次年度前半に実施する企画も助成対象とする仕組みを用意する要望にたいして、来年度予算が確約できれば予算を提供する京大地域研は不測の事態がない限り配分を考慮すること、また、少なくとも京大地域研が共催して実施する分についてはその方向で検討するとの応答があった。続いて、新規事業としての次世代支援ワークショップの拡大について審議された。
2) 新規事業について
@ 次世代支援ワークショップの拡大と「共催組織」の募集
・ 次世代支援ワークショップは京大地域研が共催組織となり、一件40万円の研究助成を毎年2件程度ずつ行っているが、今年度以降は「共催組織」を募集して募集件数を増やしたい。次世代支援事業の「共催組織」になることにより、共同研究の募集と選考のプロセスをJCASに委託した上で地域研究コミュニティの助言と要請に基づいて共同研究を進める可能性が拓ける。共催組織は、当面JCASの幹事組織から募集し、将来的には他の加盟組織からも募集することも検討する。
・ 助成対象は、現行では次世代研究者とする。ただし、共催組織が希望すれば次世代研究者に限定しない公募も可能とする。
・ 助成金額は1件当たり40万円。ただし共催組織が希望すれば異なる金額も可能。
・ 公募する共同研究のテーマは共催組織の希望に沿って決められる。
・ 応募案件の選考はJCASが行うが、共催組織による選考過程への関わり方は共催組織の希望によって対応する。
・ 2010年度は2件程度の共催組織を募り、運営委員会(共同企画部会)で制度設計を行い、実施可能であれば年度内ないし来年度に実施する。(今年度募集して来年度前半に実施する可能性も検討する。)本件については、東南アジア研究所が前向きに考えている。また北大も参画する可能性がある。以上の計画をふくめた運営委員会からの要望と現在進行中の活動にたいして、理事会は、これを承認し、幹事組織が今年度以降の次世代支援ワークショップをふくめた企画を支援する「共催組織」になることをよびかけることとした。メールで理事会に諮り、その結果を運営委員会にもどす仕組みとする。
A 新規プログラム
・ 新規事業の4プログラム(共同企画研究プログラム、共同企画講座プログラム、オンデマンド・セミナー、学会連携プログラム)を1つの部会にまとめ、部会の名称を「共同企画部会」(仮称)とし、部会長を宮原委員とした。⇒理事会はこれを了承。
・ オンデマンド・セミナーの講演を会場にてビデオ収録し、HP上で配信する方向を検討しており、加えて講師候補を確定させてウェブサイト等で広報したいとの要望と理事を講師とできるように理事会への協力要請があった。
⇒ 理事から、こちらで講師を揃えておくことは、「オンデマンド」の名称と反するため、名称を再考する必要があるのではないかとの意見があった。B JCAS講義ライブラリの実施
・ 特定の研究テーマに関し、JCAS加盟組織を横断して講師陣を集め、講義内容を録画してDVDの形で刊行する。録画および編集のための設備および人員は京都外国語大学(マルチメディアセンター)より無償で提供を受ける。
・ 軌道にのれば実施件数は年間1〜2テーマ程度とし、基礎的な研究と今日的な課題に関するテーマをそれぞれ1つずつ行う。
・ 手順は以下の通り。担当部会(研究企画部会)がテーマと講師候補者リストを作成し、運営委員会で検討ののち承認する。講師が京都外国語大学を訪問して講義を行い、録画・編集してDVDを作成する。
・ 録画および編集は京都外国語大学側が設備と人員を無償で提供する。京都外国語大学との仲介役は立岩委員が担当する。
・ 経費は講演者の京都までの往復旅費。1テーマ当たり10人として20〜30万円程度(財源未定)。理事会では、以上の運営委員会からの事業活動計画の提案について全面的に賛同するが、DVDの編集等に工夫を凝らすこと、著作権や原盤管理問題等については、今後さらに検討される必要があること、米国の大学で流通しているOpen Course Wareを参考にして講師が所属する機関が保管しJCASにリンクをはる方法などの提案があった。DVD化した場合JCAS事務局が目録を含めて管理する方法もありうる。講師の旅費については加盟組織の場合は自己負担を原則とするが、非加盟組織の場合はJCAS事務局が考慮する。謝礼については未検討。収益化の問題は別にして、初期段階として講義の記録やJCAS内部のニーズに沿ってコンテンツを作成してみてはどうかという意見がだされた。例えば、JCAS内の「共同企画講座プログラム」を録画して将来JCASのライブラリとする方法も可能性がある。今後、具体的にいかなる題材を対象にしてどうしていくかが課題となろう。
C JCAS賞について(【添付資料】参照)
運営委員会のJCAS賞案について、理事から以下のような意見がでた。
・ 賞金はないため、例えばスポンサーをつけて「大同生命JCAS賞」とするようなやり方もあるのではないか。
・ 運営委員会では、若い人のキャリアをあげるために4部門賞全体について上限計10件の授章としているが、賞それ自体をランキングしているところもあるので、一賞につき1名(1研究プロジェクト)とするのが賞の希少価値をあげるためによい、博論を対象とする賞(登竜賞は将来の就職機会のためにも複数[2、3]名としたほうがよい、とする意見があった。
・ 賞の権威づけのためにメディア(例えば新聞)と連繋したり、認知度を高める方法を考えてよい。
・ 対象は外国人による外国語の作品もふくまれるが、応募書類は日本語にしているのはそれでよい、授章対象は、初年度は前々年度を含めてもいいという意見がでた。
・ 授章対象に出版公刊されていない博士論文を含めるのはどうか、対象を余りに拡げすぎる懸念も生じる。
・ 「地域研究コンソーシアム賞」運営委員会案「1.地域研究コンソーシアム研究作品賞の推薦」の「前年度及び前々年度において公刊された論文ないし図書」という文言では、博論を対象とするのに矛盾が生じる。公刊を公表とする方法もありうる。
・ 最終審査委員の地域の散らばりなどを考慮してはどうか。理事会では、以上の意見を運営委員会に伝えていただき、再検討することを求めた。
3) 理事会の定足数の改訂について
「地域研究コンソーシアム規約」第2章第5条(理事会)9)には「理事会は、構成員の3分の2を定足数とし、議事は出席者の過半数によって決する」とあるが、会議成立のための定足数を満たすのが困難な状況にある。このため、同規約第2条第5条に定める定足数を「2分の1」と変更することとする。4) 議案の審議ならびに承認について
これまで、審議日程の関係上、定足数に満たないまま開催した例が過去にもあり、そのような場合には、出席した理事による審議の結果について、過半数の理事のメールによる承認を求めてきたことから、今後、定足数の変更により、会議成立の条件は緩和されることが見込まれるものの、なお定足数に達しなかった場合、引き続きメールにより理事の承認を求めることとした。
以上
(2010年7月28日林作成/8月9日宮崎改訂)