JCAS Logo
JCAS : Japan Consortium for Area Studies

地域研究コンソーシアム 2011年度第3回理事会 議事録

日時: 平成24年2月27日 13:00〜14:30
場所: 京都大学地域研究統合情報センター・セミナー室
出席者(敬称略): 宮崎恒二、寺田勇文、大垣貴志郎、望月哲男、大橋一友、西尾哲夫、田中耕司、清水展、林行夫/山本博之(運営委員長陪席)、宮原暁(次期運営委員長陪席)

 

1.運営委員会の活動報告および理事会への要望

 運営委員長より、平成24年2月21日に開催された運営委員会の「報告事項」と「理事会への要望」について報告があった。   各部会については報告事項と審議事項が併せて述べられたが、本議事録では両者を分けて以下に記載する。

1−1.活動報告 1)年次集会部会
 ・年次集会およびシンポジウムの準備(公募プログラムの成果を伝えるパネル掲示など)、実施マニュアルを、事務局と協力して作成することになった。

2)研究企画部会
 ・2011年11月5日、年次集会一般公開シンポジウム「『情報災害』からの復興――地域の専門家は震災にどう取り組むのか」を実施し、成果はJCASコラボレーション・シリーズ第4号として年度内に刊行される予定。

3)次世代支援部会
 ・資料1(1-2頁)により、次世代地域研究ワークショップが全7件実施された。それぞれ北海道大学スラブ研究センター(2)、 大阪大学(学内公募1)、京都大学地域研究統合情報センター(3)、京都大学東南アジア研究所(1)が共催組織となった。

4)研究交流促進部会
・資料1(2頁)により、共同企画研究については応募一件があり、条件付きで採用されたが、カウンターパートを得られなかったため応募者から辞退の申し入れがあった。
・共同企画講義〔JCAS加盟組織から組織された講師陣による出張講義〕について、本企画1件(「〈カタストロフィ〉を生きる―地域文化研究から見る災いの経験」、東京大学)は講義が好評のうちに終了した。 また、萌芽企画1件(「最先端の地域研究者によるエスノグラフィ論特別講義」、大阪大学)は来年度の出講に向けて打ち合わせが行われている。萌芽企画から本企画への移行は再応募による。
・オンデマンド・セミナー〔JCASの「研究者バンク」に登録した講師を要請に応じてセミナー等に派遣〕について、複数の組織・団体に応募を働きかけたが、具体的な進展を得られなかった。 広報、意義・目的などの見直しを適宜行いつつ、オンデマンド・セミナー企画の定着に向けて引き続き努力する。
・特定課題研究〔JCAS加盟組織の公募共同研究に対する広報・選考協力〕について、京都大学東南アジア研究所から2012年3月30日締め切りの共同研究公募 【資料3-1、3-2】に対する広報・選考への協力依頼があり、研究交流促進部会が担当する。(実施は京都大学東南アジア研究所の担当。)

5)社会連携部会 ・特定課題研究〔JCAS加盟組織の公募共同研究に対する広報・選考協力〕の「東日本大震災にともなう共同研究企画」(共催:京大地域研)の採択1件(中島成久(法政大学) 「3・11被災後のディアスポラ・コミュニティにおけるコミュニケーションの総合的研究」)について、現地調査2回、研究会1回が実施され、研究が進められている。
・キャリアデザイン・プロジェクトについて、地域研究者のキャリアデザインと社会貢献に関して、国内4大学(大阪大学、九州大学、北海道大学、京都大学)を 会場としたワークショップと上智大学での最終ワークショップを開催した【資料2-1〜2-5】。
・ワークショップ報告書はコラボレーション・シリーズ第5号として年度内に刊行予定。
・上記ワークショップでは以下の提言が出された。
@JCASと地元大学の共催による地元の行政・民間企業を対象にした地域密着型シンポジウムの各地方での開催
A地域研究(者)の存在を社会一般に周知できるような検定・資格(たとえば「地域研究士」)の制定
B所属先がない研究者に対して研究費申請のための身分・資格を保証する研究員制度(たとえば「JCAS研究員」)の導入
C大学内外の活発な人材交流のため地域研究者のキャリアデザインについて状況を調査し、情報を共有する機会の創設
D若手研究者のキャリアパスに関する国際間比較共同研究の企画・実施
・若手研究者のキャリアパスに関連して、次年度以降、外務省の専門調査員の公募過程にJCASがより積極的に関われるように働きかけることについて検討する。

6)情報資源部会
・今後の活動の方針を定めるため、幹事組織を中心に、各加盟組織に情報資源の蓄積・整理に関する取組みについて話題提供を受けることを検討している。

7)地域研究方法論研究会
・社会連携部会と共同で、地域研究者のキャリアデザインと社会貢献に関するワークショップを開催した。
・『地域研究』近刊号(特集:地域研究方法論)において、これまでの研究会活動の中間報告的な成果発表を行う。

8)広報部会
・HP英語版を構築中で、今年3月末に公開する予定。
・ニューズレターは3月末に発行する予定。

9)和文雑誌部会
・和文雑誌『地域研究』は年度内に2号を発行予定。
第12巻第1号「中東から変わる世界」「ヨーロッパの規範と国民国家の歴史認識」
第12巻第2号「地域研究方法論」「第1回地域研究コンソーシアム賞受賞者発表」
・次年度より、各号にJCAS賞の募集要項を含むJCASの活動紹介の頁をもうける。

10) JCAS賞部会
・次年度のJCAS賞の募集を開始した。締め切りは2012年5月7日。加盟組織を含む主要な大学・機関にポスターを送付した。

*) 来期の部会体制について
・新しい期の運営体制は、例年5月上旬に開催されている期首の運営委員会で部会担当者が決まり、 部会構成が活動計画・予算案とともに理事会で承認されることで発足する。引き継ぎ期間に運営体制の空白状況を作らないため、第5期の運営体制が定まるまでは、 第4期の運営委員が任期満了後も各部会の活動を担当する。なお、幹事組織内で運営委員の交代がある場合には、 第5期の運営体制が定まるまで、新運営委員が旧運営委員の担当を引き継ぐものとする。

1−2.審議事項 1)次世代支援ワークショップの共催継続について
・運営委員長から、今年度7件実施された次世代地域研究ワークショップを充実させるために、今年度の共催組織には来年度も継続することを望むとともに、 新たな幹事組織が新規に共催することの要望がだされ、これを承認した。

2)社会連携部会
・運営委員長から、資料1(3頁)により、地域研究の存在を社会一般に周知する検定・資格、JCAS研究員制度、 キャリアデザインについて調査と情報共有の機会を設けること等を包括的に検討する「将来構想WG」(仮称)を 運営委員会に設置することが提案され、審議のうえ承認された。

3)JCAS賞部会
・各加盟組織内で本賞について周知させる努力、さらに関連学会にたいしても理事会 から広報することの要望があり、承認された。

4)来期の運営体制について
・運営委員長の指名について:資料1(4頁)により、今期(第4期)運営委員会は、次期運営委員長候補に宮原暁委員を選出したこと、 同委員が2012年4月1日付けで運営委員長と就任することが要望され、承認された。
・部会体制について:資料1(5頁)により、来期(第5期)の運営体制が定まるまでは、第4期の運営委員が任期満了後も各部会の活動を担当すること、 幹事組織内で運営委員の交代がある場合は新期体制が定まるまで、新運営委員が旧運営委員の担当を引き継ぐものとすることが提案され、承認された。
・運営委員の任命について:資料1(5頁)により、来期の運営委員に、京都外国語大学外国語学部准教授・立岩礼子氏を幹事組織からの推薦枠とは別の 運営委員として継続・任命することが要望され、審議の上、承認された。
・幹事組織の拡大ないし運営委員の拡充について:資料1(5頁)により、公募プログラムの拡充にともない各部会から運営委員の増員が求められていること、 キャリアパスに取り組んでいる大学院研究科の教員に社会連携部会の活動に参画することの必要、加盟組織にたいして幹事組織の募集をよびかけることが要望され、承認された。

2.幹事組織の退任について

京都外国語大学ラテンアメリカ研究所が今年度をもって幹事組織から退くことが報告され承認された。

3.新規幹事組織の募集ならびに候補の検討について

再度、加盟組織に呼びかけ、新規幹事組織を募集するとともに、キャリアパス開拓等に積極的に取り組んでいる 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科に幹事組織就任を打診することが承認された。
 

4.日本学術会議地域研究地域研究委員会からの報告【資料6-1、6-2】

田中耕司理事から、第22期の地域研究委員会等の構成員の概要、同委員会で地域研究の質の保証、 キャリアパスの現状調査などが検討されつつあることについて説明があった。
 

5.理事会担当事務局員の新規配置について【資料4】

林理事から、幹事組織として、各部会における活動が活発化する現況にあって、来年度より理事会のロジスティクスなどを担当する 「理事会担当事務局員」を設置して、理事会、運営委員会と事務局の連絡体制をより効率化するために、 事務局を担う京都大学地域研究統合情報センターからの教員一名を充てたいとの提案があり、承認された。 候補者は地域研究統合情報センターの来年度委員会配置のなかで検討され、新年度に報告されることとなった。
 

6.次期会長について

来年度よりのJCAS会長に宮崎恒二現会長の再任が承認された。現会長より現行規程には会長に任期がないので、来年度はこれを定めたいとの発言があった。
 

以上

(文責:林 2012年3月9日作成)3月12日会長承認