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JCAS : Japan Consortium for Area Studies

地域研究コンソーシアム 2013年度第2回理事会 議事録

日時: 平成25年11月8日 13:40〜15:00
場所: 愛知大学名古屋キャンパス厚生棟W32教室
出席者(敬称略): 宮崎恒二、宇山智彦、高橋五郎、林行夫、三尾裕子
委任状(敬称略): 岸上伸啓、弘末雅士、清水展、大橋一友、田中耕司
欠席者(敬称略): 岸上伸啓、弘末雅士、清水展、大橋一友、田中耕司、寺田勇文、平野克己
陪席(敬称略): 今泉慎也(アジア経済研究所)、宮原曉(運営委員長)、山本博之(事務局)、二宮さち子(事務局)
資料: (1)メール理事会議事録(2013年6月6日〜11月7日)
(2)活動報告(2012年12月〜2013年10月)
(3)加盟組織の増減(2012年11月〜2013年10月)
(4)会長の選出について
(5)国際情報発信強化のお願い

議事

 

1.メール理事会の議事承認

配布資料(1)に基づいてメール理事会の議事が承認された。

2.運営委員会からの活動報告について

配布資料(1)に基づいてメール理事会の議事が承認された。

(1)活動報告

宮原運営委員長より資料(2)に基づいて2013年度の活動状況が報告された。

1)年次集会部会
・2013年度の年次集会は11月9日、10日に愛知大学で行う。年次集会1日目に一般公開シンポジウム「日中関係の質的変容をどう理解するか−他地域の視点から捉えなおす」、2日目に次世代ワークショップ「日中関係の変化―その背景にあるものを探る」を実施する。また、年次集会の前後約1週間をコンソーシアム・ウィークとして、11月17日に日本学術会議シンポジウム「地域研究の「粋」を味わう−現地から中央アジア、オセアニア、EU、東南アジアを読む」を実施する。

2)研究企画部会
・年次集会にあわせて開催される一般公開シンポジウムは、会場校である愛知大学とも相談のうえ、前項のテーマとした。

3)次世代支援部会
・年次集会開催、東南アジア地域研究、境界研究(ボーダースタディーズ)、異文化・環境教育、自由課題・自由開催の5つの枠で次世代ワークショップの公募を行い、「多民族社会におけるアイデンティティの形成・分断・再統合−ヴォイヴォディナ地域研究確立に向けて」「日中関係の変化−その背景にあるものを探る」「文化多様性に学ぶ環境教育」の3件を採択した。

4)研究交流促進部会
・共同企画研究、共同企画講義、学会連携、オンデマンド・セミナーの4つのテーマで公募を行った。
・オンデマンド・セミナーの「マレーシア修学旅行の事前講習」を採択した。また、共催企画として、「マヤ語(入門編)特別集中講義」「ジャウィ文献講読講習会」の希少言語講習を行った。
・共同企画研究、共同企画講義、学会連携では応募がなかった。その理由を探り、応募しやすくする方法を検討する。

5)情報資源部会
・各加盟組織の地域研究関連資源の整備状況を調査し、加盟組織全体で約400のデータベースの一覧を作成した。また、フィールドノート資料集成の利用のための検討を進めている。

6)社会連携部会
・社会連携活動の担い手および活動分野の幅を広げるため、JCAS加盟組織の社会連携活動を「JCAS社会連携プロジェクト」として募集し、応募があったプロジェクトについてJCASホームページで活動紹介を掲載した。

7)地域研究方法論部会
・JCAS加盟組織による地域研究方法論に関する研究活動を「JCAS地域研究方法論プロジェクト」として募集し、応募があったプロジェクトについてJCASホームページで活動紹介を掲載した。

8)広報部会
・ホームページを通じた情報発信を強化している。

9)和文雑誌部会
・和文学術雑誌『地域研究』を年度内に2号刊行する。幹事組織に企画案を出してもらうよう働きかける。

10)地域研究コンソーシアム賞(JCAS賞)部会
・2013年度の募集および選考を行った。結果は年次集会で発表される。

11)将来構想WG
・地域研究の検定・資格、身分保障のための研究員制度、地域研究者のキャリアデザイン/キャリアパス、地域密着型のシンポの開催等に関して継続して検討している。今年度は報道と地域研究の関係を中心に検討を進めている。

12)事務局
・メルマガの発行を含むJCAS運営に関する全般的な事務を担当した。

13)総括と展望
・海外の研究機関との連携を探り、学界との連携をさらにはかる。
・加盟組織どうしだけでなく、加盟組織に所属する研究者どうしの出会いの場を積極的に提供する。
・社会連携を積極的に進め、地域研究の立ち位置について社会的な理解が得られるよう努め、その基礎となる次世代育成の活動を支援する。
以上の報告に対して質疑応答がなされ、活動報告が原案通り承認された。
質疑応答の主な内容は以下の通り。研究交流促進部会の公募企画への応募が多くない背景として、宮原運営委員長より、組織を通じて応募するという応募方法と地域横断的な研究テーマの2つが挙げられた。これに対し、応募方法については、加盟組織横断型の公募研究には応募が少ないが、個人で応募できる次世代ワークショップとオンデマンド・セミナーでは応募が増えていることから、応募方法を再検討してわかりやすく提示する工夫をしてはどうかとの意見が出された。研究テーマについては、制度としての地域研究の推進は、(1)これまで制度的に研究されてこなかった地域、(2)地域横断的な研究、(3)政策提言の3つの方向があり、JCASの活動を地域横断的なものに限定しなくてもよいのではないかとの意見が出された。このほか、各加盟組織が行っている外部から応募可能な公募情報の一覧を作成することや、公募情報の広報はメーリングリストやメールマガジンで配信するだけでなく各加盟組織のウェブサイトに掲載してもらうようお願いしてはどうかなどの意見が出された。

(2)運営委員会からの要望

宮原運営委員長より提出された運営委員会からの要望について、以下のように審議された。

1)来年度の年次集会について
・2014年度の年次集会は、2014年11月ごろの土曜日と日曜日の2日間、アジア経済研究所で開催することが承認された。来年度はJCASの設立10周年にあたることから、10周年の特別企画としてはどうかとの意見が出された。

2)ワーキンググループの設置について
・将来的な学会化を含めたJCASの運営のあり方を検討するワーキンググループを運営委員会に置くことが提案された。既存の地域研究学会や地域研究学会連絡協議会との関係をどのように考えるのか、組織単位で加盟して組織ごとに運営スタッフを出していることをどう評価するのか、活動の財源をどう確保するのか、などの種々の意見が出され、議論の結果、JCASの加盟組織に所属する研究者相互の交流をいっそう促進する方策を検討することを目的にしたワーキンググループを設置することが承認された。

3)来年度の共催について
・次世代ワークショップのように幹事組織の共催により運営されている事業について、来年度も共催をいただきたい旨の要望が出され、それぞれの組織で検討して対応することが確認された。

3.新規加盟組織について

事務局より、資料(3)に基づいて新規の加盟組織が報告され(いずれもメール理事会で審議済み)、加盟組織が97組織となったことが報告された。

4.その他

(1)会長の選出について
事務局より、資料(4)に基づいて、会長の任期および選出方法に関する規定および理事会申し合わせが説明され、以下のことが確認された。規約では会長の任期に関する規定はないが、慣例により運営委員会の任期にあわせて2年を1期としてきたこと。各期の2年目に次期の幹事組織の構成を見直し、必要に応じて幹事組織を追加した上で、期末の理事会において、次期より加わる幹事組織の長の同席のもと、新旧理事による互選により次期会長を選出すること。会長に着任した時点で幹事組織の長でなくてもよいこと。 次期の幹事組織の構成について、次世代育成を活動の柱の1つとするために大学院の研究科を幹事組織に加えることが提案され、会長より関係する機関に打診することとなった。

(2)国際ジャーナル刊行への協力要請について
事務局より、資料(5)が示され、加盟組織であるアジア・バロメーターの代表者である猪口孝氏よりアジアの政治に関する国際ジャーナルの刊行に対する協力要請があったことが紹介された。内容を検討した結果、ジャーナル刊行に関する今後の展望および協力の具体的な中身について確認した上で会長が判断することが承認された。

(3)その他
林理事より、事務局が地域研究の顕彰活動を行っている著名な団体による訪問を受けたことが報告された。地域研究が細分化される傾向に対して国や地域の枠を越えた研究に関心があり、そのような顕彰のあり方を検討しているが、対象が広範囲に及ぶためにどのような選考態勢をとればよいか情報収集しているとのことであり、これに対して世界の全域を対象とする地域研究コンソーシアム賞の選考態勢について説明したことが紹介された。

以上

(文責:林 2013年12月2日作成、2014年1月7日会長承認)