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JCAS : Japan Consortium for Area Studies

地域研究コンソーシアム 2014年度第2回理事会 議事録

日時: 平成26年10月31日 13:00〜14:55
場所: ジェトロ・アジア経済研究所A21会議室
出席者(敬称略): 宮崎恒二、原正一郎、上野稔弘(岡洋樹代理)、平野克己、河野泰之、富沢寿勇、阿部健一
委任状(敬称略): 三尾裕子、寺田勇文、平田收正、塚田誠之、高橋五郎、弘末雅士、中村安秀
欠席者(敬称略): 家田修
陪席(敬称略): 宮原曉(運営委員長)、山本博之(事務局)、二宮さち子(事務局)
資料: (1)メール理事会議事録(2014年6月12日〜10月30日)
(2)活動報告(2013年11月〜2014年10月)
(3)加盟組織の増減(2013年10月〜2014年10月)
(4)2014〜2015年度活動方針・計画(案)
(5)加盟組織一覧

議事

 

0.メール理事会の議事承認

(1)議事に先立ち、新任の富沢寿勇理事(日本マレーシア学会)および新規幹事組織である NPO法人平和環境もやいネットの阿部健一理事が紹介された。
(2)出席理事7名(代理出席を含む)、委任状提出7名で定足数を満たしていることが確認された

1.メール理事会の議事承認

配布資料(1)に基づいてメール理事会の議事が承認された。

2.運営委員会からの活動報告について

(1)活動報告

宮原運営委員長より資料(2)に基づいて2014年度の活動状況が報告された。

1)年次集会部会
・2014年度の年次集会は10月31日、11月1日にアジア経済研究所で行う。年次集会1日目に次世代ワークショップ「アフリカにおける開発と障害」、2日目に一般公開シンポジウム「地域から研究する産業・企業:フィールドワークとディシプリン」を実施する。

2)研究企画部会
・年次集会にあわせて開催される一般公開シンポジウムは、会場校であるアジア経済研究所とも相談の上、前項に記したテーマとした。

3)次世代支援部会
・年次集会開催、東南アジア地域研究、境界研究(ボーダースタディーズ)、異文化・環境教育、自由課題・自由開催の5つの枠で次世代ワークショップの公募を行い、「近現代モンゴルにおける人間=環境関係の変容」「スプロール化した都市の中の隠された智恵―東アジア・東南アジアにおける「無秩序」を考えるワークシップ」「ユーラシアにおける越境と環境・社会―学際的対話による包括的な「境界」知の獲得」「熱帯雨林管理に関するワークショップ」「アフリカにおける開発と障害」「抵抗と解放の身体―ブラジル伝統芸能「カポエイラ」による対話と実践」「表現しよう、新しい地域研究!―地域研究をめぐる発表形態の多様化を目指して」の7件を採択した。

4)研究交流促進部会
・共同企画研究、共同企画講義、学会連携、オンデマンド・セミナーの4つのテーマで公募を行った。
・学会連携では「外国にルーツをもつ若者たちのさまざまな発信で変える社会―外国にルーツを持つ若手研究者による学会連携研究発表の場の創出」を採択した。
・オンデマンド・セミナーでは「混成アジア映画がつなぐ東アジア世界」「マレーシア修学旅行に向けた社会・歴史・文化に関する映画上映と講演」「北野高校SGH関連講義―災害・防災から見た東南アジアと日本」「国際理解―「紛争」を通して見る世界」を採択した。
・文部科学省が進めているスーパーグローバル・ハイスクール(SGH)プログラムの連携組織となることを検討する。

5)情報資源部会
・地域研究方法論部会と共同で地域研究情報の読み解きに関する研究会を開始した。

6)社会連携部会
・社会連携活動の担い手および活動分野の幅を広げるため、JCAS加盟組織の社会連携活動を「JCAS社会連携プロジェクト」として募集し、応募があったプロジェクトについてJCASホームページで活動紹介を掲載している。

7)地域研究方法論部会
・JCAS加盟組織による地域研究方法論に関する研究活動を「JCAS地域研究方法論プロジェクト」として募集し、応募があったプロジェクトについてJCASホームページで活動紹介を掲載している。

8)広報部会
・ホームページを通じた情報発信を強化している。

9)和文雑誌部会
・和文学術雑誌『地域研究』を年度内に2号刊行する見通しである。

10)地域研究コンソーシアム賞(JCAS賞)部会
・2014年度の募集および選考を行った。結果は年次集会で発表される。

11)将来構想WG
・地域研究の検定・資格、身分保障のための研究員制度、地域研究者のキャリアデザイン/キャリアパス、地域密着型のシンポジウムの開催等に関して継続して検討している。
・今年度は報道と地域研究の関係を中心に検討を進め、シンポジウム「世界はレイシズムとどう向き合ってきたか―地域研究とジャーナリズムの現場から」を実施した。また、民間企業および外務省との懇談を企画し、2件実施した。

12)事務局
・メルマガの発行を含むJCAS運営に関する全般的な事務を担当した。

13)総括と展望
・地域研究に関する研究機関、学界との協力、連携をJCASとして促進し、日本の地域研究の世界におけるプレゼンスをさらに高め、国際社会に貢献する礎ともなるよう方向性を探る。
・厳しさを増しつつある学術研究や高等教育をめぐる財政的な状況に鑑み、加盟組織にとってより使い勝手のよい効率的な運営を目指すとともに、組織のあり方を再検討する。
・地域横断型ないし学際的な地域研究のあり方、およびここの研究者の研究とそれとの関係について検討し、地域を横断することの意味について再考する。

以上の報告に対して質疑応答が行われ、活動報告が原案通り承認された。質疑応答および意見交換の主な内容は以下の通り。オンデマンド・セミナーについて、高校や企業に広報してはどうか。また、応募が増えたらどのように対応するかを検討する必要はないか。将来構想ワーキンググループの企業訪問について、企業との連携の経験がある幹事組織と情報共有のあり方について検討してはどうか。総括と展望の「日本の地域研究が世界においても認知され」とは、地域研究の成果が世界で認知されていないことや、留学生が日本で取得した学位が帰国後に社会的に認知されていないことがあり、その点への対応を検討してはどうか。日本の人文社会科学の成果が世界に発信されないことにどのように取り組むか。

(2)活動計画

宮原運営委員長より、配布資料(4)に基づき、「地域研究を設計する」「学問分野の枠を越える」「ネットワークを広げる」「市民社会とつながる」「次世代研究者の育成」「情報基盤を築く」「ジャーナリズム、NGO、自治体等との連携による新たな地域研究の模索」の7項目の計画が提案された。国際発信を柱の1つに加えてはどうかなどの意見や質問が出され、原案の通り承認された。

(3)運営委員会からの要望

宮原運営委員長より提出された運営委員会からの要望について、以下のように審議された。

1)来年度の年次集会について
・2015年度の年次集会は、2015年10月31日、11月1日の2日間、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所で開催することが承認された。

2)来年度の共催について
・次世代ワークショップのように幹事組織の共催により運営されている事業の来年度の共催の継続については、各幹事組織で検討して対応することが確認された。また、来年度の年次集会の会場校である東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所に対しては、年次集会開催枠の共催をお願いすることとされた。

3)JCAS共同研究について
・年次集会シンポジウム等のJCAS関連イベントの登壇者の参加旅費について、登壇者が所属する加盟組織に共催をお願いしたいとの要望があり、加盟組織が負担するとの原則が確認された。これに関連して、JCASの加盟組織が共同で研究プログラムを組織することへの要望が出され、引き続き検討することとなった。

4)JCAS賞のスポンサーについて
・今年度からJCAS賞の受賞者に記念品を授与することになったことが報告された上で、JCAS賞の副賞や報道のスポンサー探しについての要請があった。理事会として検討することが確認されるとともに、プレスリリースにあたっては文言を工夫してはどうかとの意見が出された。

3.新規加盟組織について

事務局より、資料(3)に基づいて新規の加盟組織および組織の脱退が報告され(いずれもメール理事会で審議済み)、加盟組織が97組織となったことが報告された。加盟組織のうち研究プログラムなどすでに活動が終了している組織については、事務局で状況を確認することとなった。

4.理事の交代について

宮崎会長より、日本学術会議地域研究委員会の田中耕司委員長が同委員長職の退任に伴ってJCASの理事を退任する意向が示されたことが報告され、承認された。日本学術会議地域研究委員会との連絡役は宮崎会長が担うこととされた。

5.その他

宮崎会長より、大学の付置研・センターが連携して共同研究を企画する構想について紹介され、具体化した場合にJCASとして協力することが提案され、承認された。
原理事より、学術振興会の大型研究プロジェクト一覧作成に向けてJCASを基盤とする共同研究を構想してはどうかとの意見が出され、意見交換が行われた。
宮崎会長より日本学術会議の活動状況について報告があり、意見交換が行われた。

以上

以上

(文責:原 2014年11月10日作成、2014年11月20日会長承認)