地域研究コンソーシアム 第22回運営委員会議事録
日時: | 2009年3月9日(月)15:00〜18:00 |
場所: | 京都大学サピアタワー内東京連絡事務所10F |
出席: | 赤嶺淳、阿部健一、飯塚正人、石井正子、押川文子、北村由美、桑名恵、高倉浩樹、寺田勇文、林行夫、原正一郎、福武慎太郎、堀坂浩太郎、三尾稔、宮原暁、野町素己、山本博之
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欠席: | 家田 修、 奥村 誠、西井凉子、石川 登、柳澤雅之、村上勇介、高松幸司、信田敏宏
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オブザーバー: | 小林美佳 (敬称略、五十音順)
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配布資料
1.議題
2.理事会での提案・検討事項
3.地域研究コンソーシアムデジタル映像ワークショップ報告
4.雑誌『地域研究』特別企画公募のお知らせ
5.各部会・研究会の今年度の活動報告および来年度の活動計画
6.地域研究コンソーシアム運営委員会将来検討ワーキンググループ答申
審議事項
1. メール会議による決定事項の確認
1)理事会からの提案
押川運営委員より、理事会において@多様なセミナーの開催、A自己点検評価、B理事会と運営委員会の意思疎通を円滑にするため、理事会への運営委員長・副委員長の陪席、が
提案されたことが述べられた。@、Aは引き続き検討、Bに関しては運営委員長・副委員長のどちらかが理事会に陪席することが決定された。
2)デジタル映像ワークショップ報告
高倉運営委員長から、JCASの次世代支援事業として、「地域研究フィールドワーカーのためのデジタル映像ワークショップ(写真編)」が実施されたことが報告された。年度末までに報告書を作成し、配布する予定である。
3)雑誌『地域研究』
押川運営委員より、特別公募を実施した結果、計9件の企画が寄せられたことが報告された。また、2009年以降の『地域研究』の編集委員構成と編集体制について、以下の案が提出され、承認された。
@委員会構成について
基本的に、今後2年程度の特集企画発案者を中心とした構成とする。移行期にある2009年度、2010年度については、以下のような構成を考える。
- 2009年度を任期とする委員(2009年度中に特集を組む)および2009-10年度を任期とする委員(2010年度中に特集を組む)、計8-12名程度を基本とし、これに加えて京大・地域研から刊行担当2-3名を加える。
- 2009年度の年度当初の委員については、2月末を期限としてとして特集企画案公募を実施し構成を定める。
- 委員長は、地域研刊行担当を除く委員による互選とし、任期2年とする。
- 2010年度からあらたに加わる委員は、2009年度に特集企画を応募した方から、特集の実現性等を勘案して2009年度末までに決定する。
A査読については、特集については特集責任者(編集委員)1名および専門家1名、投稿論文は専門家2名とする。
2.各部会・研究会の今年度の活動報告および来年度の活動計画
【年次集会】
石井委員より、2008年11月8日に開催した年次集会について、出席者がのべ69名であったこと、初めての試みとしてポスターコーナーを設置したことなどが報告された。2009年度の年次集会は、担当者に京都大学の柳澤委員が加わり、11月ごろに京都大学で開催する予定である。
【広報部会】
北村委員より、今後、HP・メールのシステムおよび情報管理を一括してアルファーサードに委託するとの報告があった。
新HPトップページへの災害関連情報の掲載について、広報委員会と社会連携研究会が検討した結果が報告されたが、掲載される情報の責任の所在や、掲載情報の選択の基準などについて対策が示されていないとの指摘があり、それらについて再検討したうえで、メール会議に諮ることとなった。
広報部会メンバーの増員が提案され、林委員がメンバーに加わることになった。また、各幹事組織から1名広報部会に対する情報提供者を推薦してもらうこととなった。
【次世代育成作業部会活動報告】
赤嶺委員より、2008年度には4コースの地域言語ワークショップが開催されたことが報告された。来年度は、2010年度に地域言語ワークショップ再編するための検討期間に当てるため、大阪大学が中心となって行う形では地域言語ワークショップは実施しない。来年度地域言語ワークショップを実施するかどうかは次世代育成部会で判断する。
福武委員より、2008年度の地域研究次世代ワークショップに7件の応募があり、うち3件が採択、実施されたことが報告された。通常は2件のみ採択するのだが、2位と3位の点数が僅差であったため、3件採択することとなった。
【情報資源共有化委員会】
北村委員より2008年度に2件の研究会が開催されたことが報告された。2007年度より開始した東南アジア逐次刊行物プロジェクトについては2008年度中に目録とデータベースを公開する予定である。地域環境情報ネットワーク形成については、2008年度中に雑誌『SEEDS』の創刊号を発行し、引き続き概算要求を行うことが報告された。
2009年度は、研究会を2回開催する。うち、1回については、地図の共有化をテーマに行う予定である。
【地域情報学研究会】
原委員より、2008年度に実施した研究会のうち、五島敏芳(国文学研究資料館)氏の報告「アーカイブズオンライン総合目録による地域研究情報共有の提案」が京都大学研究資源アーカイブズにいかされ、中山正樹(国立国会図書館関西館)氏の報告「デジタル情報の統合検索サービスを目指して:PORTAのコンセプトと今後」が人間文化研究機構と国立国会図書館の間の情報システムの接続実験準備にいかされたことが報告された。
また、マレーシア映画データベース、Waktuデータベース、トリキスタン集成データベース、ポスト社会主義諸国選挙・政党データベース、中国における「外国人」人口統計データベースなどの公開が予定されている。
『アジア遊学(特集―地域情報学の創出)』を公刊し、一般読者に対して地域情報学を紹介した。これらについて、メルマガでも紹介してほしいとの要望が出された。
2009年度には、研究会を2回開催する予定である。
【地域研究方法論研究会】
山本委員より、2008年度に、今後同研究会を完全に立ち上げるためのニーズ調査を兼ねた研究会が2回開催されたことが報告された。
2009年には研究体制をさらに整えたうえで、地域研究に関わる大学院研究科や専攻で同研究会メンバーを中心に研究会を行う予定である。会場提供をJCASメルマガなどを通じて募集し、各会場で2回の研究会を実施する。
【社会連携研究会】
阿部委員より、2008年度には共生ワークショップを5回行い、難民映画上映会を開催したことが報告された。人材交流としては、ジャパン・プラットフォームのモニタリング調査などに研究者を紹介した実績が示された。2009年度には、引き続き研究会・シンポジウムの開催、難民映画祭の情勢、人材交流を継続する。国際ボランティア学会第11回大会開催への協力も検討している。
3.地域研究コンソーシアム運営委員会将来検討ワーキンググループからの提案
高倉委員長から次の項目における将来検討ワーキンググループの提案が紹介され、議論された。
1)広報のあり方について
2009年度中に、メルマガを加盟組織全員(学会を除く)に一度送信し、登録解除希望を取るという形でメルマガ配信希望者の増大を目指すことが提案され、承認された。
2)次世代支援について
次世代支援部会による主催企画と加盟組織からの提案企画から構成し、ともに公募によって実施する。主催企画については、「次世代研究交流集会実施支援事業」と改称する。提案企画については、加盟組織からの次世代教育育成企画を公募し、これに対して同部会が実施支援を行うものとするとの提案があった。なおこれに関しては、理事会のなかでも議論があると理事会資料にあった。それゆえに、次世代教育育成企画については、理事会との調整も含めて実施する。
3)年次集会・シンポジウム
作業負担の軽減とさらなる内容の充実を図るため、作業部会を年次集会担当と公開シンポジウム担当の二つに分化するとの提案があった。2009年度は現行通り行うが、2010年度から二つに分けることが承認された。
4)地域研究賞について
地域研究賞制度を設けるとの提案があった。これに対しては、さらに将来検討ワーキングで詳細を検討することとなった。
5)理事会との関係
運営委員会と理事会の連携強化をおこなうため、理事にも、運営委員会の各部会にも入ってもらうことが提案された。これに対しては、両者の役割を明確に分けるために理事会と運営委員会を分けていることを考慮にいれ、再度将来検討ワーキングで検討することになった。
収支報告について、年度毎に理事会に提出する体制を整えることが提案された。JCASがもちより経費のネットワークであることを考慮して、財源を明記しないで収支報告を行うこととなった。
6)研究会体制の見直しと共同研究企画部会、社会連携推進部会の設置について
JCASの事業としての共同研究を、より多くの加盟組織に開かれた研究会事業とするために、企画・調整を行う「共同研究企画部会」を2010年度から設ける。現在存在する研究会については、新たに設置する部会の調整のもとに活動することとする。これにともない、研究会選出の運営委員は廃止する。また社会連携については、研究会ではなく、社会連携推進部会を設立する。
以上が提案され、これらに対しては、既存の研究会が開かれたものとして開催されていなかったかどうかの検討を含め、そもそものJCASの研究会や部会の設置目的をも確認したうえで、将来検討ワーキングでさらに検討することが決まった。
4.事務局からの報告
林事務局長より、2008年度には50以上のメルマガを発信したことが報告された。また、2008年度は次世代ワークショップの活動が活発になった。このこと自体は喜ばしいが、同時に事務局とのあいだに混乱も生じた。開催主体と事務局とのあいだに入る人物を通じ、来年度以降、金銭のやりとりに関しては、綿密な連携が必要である。
5.事務局長・運営委員の交代について
林事務局長の任期が2008年度で切れることに伴い、2009年度からは村上委員が事務局長に就任することになった。事務局の引き継ぎなどの業務にあたるため、林事務局長の運営委員としての任期を1年間延長することとなった。
高松委員の京都大学地域研究統合情報センター客員准教授としての任期が2008年度で切れることに伴い、同氏のJCAS運営委員としての任期も2008年度で終了することとなった。
2008年度をもって押川氏が運営委員および理事を退任することとなった。2009年度からは京都大学・地域研の小森氏が押川氏の代わりに運営委員に就任する。小森氏の任期は押川氏の任期と同様に、2010年3月迄とする。このことについて理事会に承認を求めることとなった。
6.その他
- コンソーシアム関係のイベントで最初にコンソーシアムについて紹介してもらうようにしてはどうか、そのために5分程度のビデオ資料やパワーポイント資料などを作り、利用してもらってはどうかとの提案があった。
- 次世代育成プログラムと関連して、「次世代」以外の世代も対象にした多様な公募ワークショップを企画してはどうかとの提案があった。定年退職した研究者にこれまでの研究蓄積を還元してもらうことで広い意味での次世代育成を行うことを目的とする。この提案に対して理事からも積極的な参加が得られるだろうとの見通しなどが議論された。
- 前項の多様な公募ワークショップに関連して、ワークショップの講師に「地域研究コンソーシアム特任教授」や「地域研究コンソーシアム特任講師」などの称号を与えることを検討してはどうかとの提案がなされた。常勤の所属先がない研究者が名刺に「地域研究コンソーシアム」と書いて広報してくれるためにコンソーシアムの認知度が高まることが期待できる。