JCAS Logo
JCAS : Japan Consortium for Area Studies

地域研究コンソーシアム
第27回(2010年度第2回)運営委員会議事録

日時: 2010年7月10日(土)13:00〜17:00
場所:京都大学東京オフィス(品川インターシティA棟27階)
出席:家田修、上野稔弘、貴志俊彦、小森宏美、塩谷昌史、立岩礼子、田中英式、西芳実、錦田愛子、丹羽典生、マウロ・ネーヴェス、野町素己、宮原暁、福武慎太郎、古谷育法、村上勇介、柳澤雅之、山本博之、李春利 (敬称略、五十音順)
記録: 立岩礼子(京都ラテンアメリカ研究所)

配布資料

(1)「地域コンソーシアム2010年度の活動」
(2)「部会・研究会・プログラムの活動計画および予算一覧」
(3)「次世代支援部会ワークショップ採択(案)」
(4)「2010年度年次集会シンポジウムプログラム(案)」
(5)「学術雑誌『地域研究』原稿募集」
(6)「広報部会2010年度活動報告・活動計画」
(7)「社会連携部会2010年度活動報告(2010年度7月現在)」
(8)「地域コンソーシアム賞検討部会地域コンソーシアム賞(案)」
(9)「JCAS共同企画研究プログラム:ASEAN・中国19億人市場の誕生とその衝撃(仮)」
(10)「京都外国語大学マルチメディア教育研究センター・リーフレット」
(11)「JCAS講義ライブラリの実施(案)」
(12)「次世代支援ワークショップの拡大(案)」

審議事項

0.メール運営委員会の議事確認

・メール運営委員会での以下の決定事項が承認された。
  5月17日(0076) 第1回運営委員会の議事録確定
  5月20日(0086) 運営委員の担当部会の決定
  6月17日(0103) オンデマンド・セミナーの実施

1.運営委員長(山本)

・理事会の内容が報告され、理事会で承認された今年度の活動方針および活動計画が示された。

2.次世代支援部会(福武)

・次世代支援ワークショップについて、7月半ばに募集を締め切ったところ、応募総数は2件であり、部会で選考を行った結果、条件付きで以下の2件を採択することが提案された。
  (1)「トランスナショナルな子供たちの教育を考える」(申請者:矢元貴美(大阪大学大学院人間科学研究科研究員博士後期課程グローバル人間学専攻)、企画アドバイザー:三田貴(大阪大学)、開催予定時期:2010年11月21日(日))
  (2)「NGOの現在とアジア−拡大する市民社会ネットワークの地域研究の可能性−」(申請者:堀場明子(上智大学アジア文化研究所客員研究員)、企画アドバイザー:福武慎太郎(上智大学)、開催予定時期:2010年11月13日(土))

・企画内容についてはそれぞれ以下のように助言を与え、必要であれば企画内容の修正を求めることを採択の条件とする。

・ワークショップ(1)は、在日外国人の子どもたちの教育を支援しているNPO団体と研究者の協働をテーマとするものである。研究対象が関西圏に限られているため、対象地域を広げるように助言する。

・ワークショップ(2)は、東南アジアにおける日本のNPOを通じたネットワークの変容をテーマとするものである。テーマの広がりが大きいため、テーマを絞るように助言する。

・以上の提案について承認された。

・応募件数が少なかった理由として、今年から選考方法を変えたために締切が従来の8月半ばから7月半ばに繰り上げられ、そのため募集期間が短くなったことが考えられると指摘された。

・次世代支援部会より追加募集を行いたいという強い要望があり、今年度予算の範囲内で追加公募することを承認した。公募の詳細(件数や公募期間)については次世代支援部会に一任する。

・年度はじめに募集が行われると年度の後半に実施する企画しか助成対象とならないため、翌年度の前半に実施する企画も助成対象となるような仕組みを考えてはどうかとの意見が出された。

3.年次集会部会(丹羽)

・今年度の年次集会を2010年11月6日(土)に上智大学中央図書館9階大会議室(L-991号)にて行うこと、年次集会を上智大学アジア文化研究所と共催とすることが提案され、いずれも承認された。また、福武委員を年次集会部会に加えることが承認された。

・年次集会のプログラムは第一部(総会)と第二部(一般公開シンポジウム)とし、第二部終了後に懇親会を行う。

4.研究企画部会(上野)

・年次集会第二部の一般公開シンポジウムは、日本学術会議地域研究委員会および地域研究学会連絡協議会との共催により行うことが提案され、承認された。

・シンポジウムの内容については、日本学術会議地域研究委員会が2010年4月に発表した報告書「地域研究分野の展望」による提言を受けたものとし、同委員会メンバーによる報告に対してJCASメンバーがコメントする形で行うことが提案された。これに対し、報告書「地域研究分野の展望」をJCASがどのように捉え、どのように応答するかをシンポジウムの中心に据えるべきであり、情報資源部会や社会連携部会などのJCASの部会・研究会・プログラムから報告者を立ててはどうかなどの意見が出され、プログラムについて改めて検討することとなった。

5.和文雑誌部会(小森)

・学術雑誌『地域研究』では特集企画を募集しており、積極的な応募が期待されるとの呼びかけがなされた。『地域研究』について、特集企画のほかに個別投稿論文も募集していること、個別投稿論文では大学院生による投稿も受け付けていること、同誌はレフリー制の雑誌であることなどが確認された。

6.広報部会(柳澤)

・JCASのHPに関して以下の報告がなされた。アルファサード社と2010年度のサーバー委託契約を完了した。現在のアクセス数は期待されるよりも低いため、内容を充実させて利用価値を高める必要がある。HPの項目・リンクの見直しを行なう予定である。

・ニューズレターについて、9月に第9号を発行する予定であることが報告された。

・ニューズレターの企画を提案し、情報を提供する委員として、錦田委員、石井委員、塩谷委員、李委員、小森委員、立岩委員を広報部会のニューズレター情報担当委員とすることが提案され、承認された。

・担当プログラムとの協力のもと、JCAS公募プログラム(共同企画研究プログラム、共同企画講座プログラム、次世代支援ワークショップ、オンデマンド・セミナー、学会連携プログラム)の募集通知のためのパンフレットを作成中であることが報告された。

・JCASのHPを通じた広報の仕組みについて説明がなされた。これに関して、HPを通じた広報の仕組みについて新規加盟組織に伝える必要があることが指摘され、広報部会が説明内容を用意し、事務局を通じて新規加盟組織に伝える体制を作ることが確認された。

7.情報資源部会(家田)

・報告事項・審議事項とも特になし。

8.社会連携部会(西)

・パネル「学術研究と人道支援:2009年西スマトラ地震で壊れたもの・つくられるもの」(2010年6月6日、愛知大学、東南アジア学会第83回研究大会)を含む3件の活動についての報告がなされた。学会との連携企画は好ましく、積極的に進めるべきであるとの意見が出された。

・実施した活動の内容と成果の概要を記した報告がなされたことに対し、今後は他の部会等も含めてこの形式で活動報告を行うこと、報告内容はJCASのHPなどに掲載して広報することが確認された。

・JCAS加盟組織(またはそのメンバー)から社会連携に関する活動についてJCASとの共催が求められた場合、その要望を受け付けて共催として認める手順を社会連携部会で検討することとなった。

9.事務局(村上)

・九州大学アジア総合政策センターが閉鎖のためJCASを脱退し、立教大学AIICが加盟したため、現在の加盟組織数は89になった。

・メルマガを16号(および臨時号2号)発行した。メルマガの登録者数はあまり多くなく、登録者の増加を図る必要があることが確認された。

・メルマガの登録者を増やし、JCASからの発信力を高めるため、メルマガに短い記事を書くことが提案され、対応可能な部会等が記事を書くように心がけることが確認された。また、メルマガのバックナンバーをHP上で公開し、過去の記事を参照可能にすることが提案された。

・新規加盟組織に対してJCASの活動の概要や参加方法についてまとめた案内一式を渡す体制を作ることが提案され、事務局が担当することとなった。

10.コンソーシアム賞検討部会(家田)

・コンソーシアム賞について、配布資料をもとに原案が紹介され、内容が検討された。主な議論は以下の通り。

・登竜賞は若手研究者を対象とするが、「若手」を年齢で定めることはせず、推薦者および選考委員の判断に委ねる。

・作品賞と登竜賞では、1人の推薦者は1人の被推薦者に対して原則として一度に1つの業績しか推薦できないものとする。

・授賞対象は前年度および前々年度の業績とする。審査期間の都合上、当該年度の業績は対象外とする。

・受賞数は4部門を合わせて10件を上限とするとの原案に対し、多すぎるのではないかとの意見が出された。

・部会でさらに検討し、9月の運営委員会で検討することが確認された。

11.地域研究方法論研究会(山本)

・報告事項・審議事項とも特になし。

12.新規プログラムの部会化(西)

・今年度からの新規事業プログラムの実施にあたり、募集・選考や広報などの面で各プログラムが共同で行った方がよいことが多いため、新規事業の4プログラム(共同企画研究プログラム、共同企画講座プログラム、オンデマンド・セミナー、学会連携プログラム)をあわせて1つの部会としてほしいとの要望があり、承認された。

・部会の名称は共同企画部会(仮称)とし、部会長は宮原委員とする。

(1)共同企画研究プログラム(田中)
・共同企画研究プログラムのシンポジウムとして、愛知大学国際中国学研究センター、京都大学地域研究統合情報センター、京都大学東南アジア研究所、東南アジア学会の共催により2010年11月3日(水)に愛知大学車道校舎にて「ASEAN・中国19億人市場の誕生とその衝撃(仮)」を実施する計画を進めていることが報告され、実施について承認された。
・アメリカやヨーロッパの経済ブロックからの視点を提供する報告者を加えることでJCASの企画としての意義をより効果的にアピールしてはどうかとの意見が出された。これに対し、1日のシンポジウムで報告者を増やすことは難しいため、今回のシンポジウムは原案通りで実施し、報告と討論の中でそのような視点を盛り込む方向で実施することとなった。
・京都ラテンアメリカ研究所より、上智大学イベロアメリカ研究所との共催でメキシコ革命に関する企画を調整中との報告があった。
・今後も企画実施案を募集する。

(2)共同企画講座プログラム(西)
・東京大学駒場キャンパスにて2010年度冬学期に開講される災害・防災に関する講義にJCAS共同企画講座から講師を派遣する方向で調整が行われていることが報告された。
・同大学の来年度の講義では紛争・復興がテーマとなるため、講師の人選にあたり研究企画部会の協力を仰ぎたいとの要請があり、研究企画部会が講師の人選に協力することが確認された。

(3)オンデマンド・セミナー(立岩)
・オンデマンド・セミナーの一部であるJCASイニシアティブ(仮称)の研究企画としてジャウィ講読講習会を6月26、27日に実施したことが報告された。JCASイニシアティブ(仮称)の正式名称は共同企画部会(仮称)で検討する。
・オンデマンド・セミナーでは、講師候補として名前が挙げられた人たちに正式に打診した上で、幹事組織の協力を仰いで講演先を決めてセミナーを実施する予定であることが報告された。
・オンデマンド・セミナーの講演は会場にてビデオ収録し、HP上での配信を目指すことを検討中であることが報告された。You Tubeのほかi-Tuneの利用も検討することが提案された。

(4)学会連携プログラム(山本)
・報告事項・審議事項ともに特になし。

13.JCAS講義ライブラリの実施(山本)

・京都外国語大学の協力による新規事業として、地域研究の基礎研究や今日的課題に関するテーマについて、加盟組織を横断する講師陣を組み、それぞれの講義内容を収録してDVDとして刊行することが提案された。

・研究テーマの設定および講師の人選はJCASで行う。収録および編集は京都外国語大学が同大学マルチメディア教育研究センターの施設およびスタッフを提供する。

・年間1、2件を実施し、将来的にはJCAS講義ライブラリとして広い範囲の人びとが利用できるようにしてはどうかとの意見が出された。また、実施に先立ってDVDの著作権などについて整備が必要であることが確認された。

・運営委員会として実施を承認した。理事会で実施が承認された場合、研究企画部会を中心に研究テーマおよび講師の人選を行い、京都外国語大学と協力して実施することが確認された。

14.次世代支援ワークショップの拡大(山本)

・次世代支援ワークショップの共催組織を募集することが提案された。共催組織が実施する次世代ワークショップの公募に対し、JCASが募集・選考に協力することで、共催組織が地域研究コミュニティの助言や要請を受けた共同研究を実施することになる。

・対象を次世代研究者に限定すべきかについて議論がなされ、共催組織の意向によって次世代研究者以外も対象にしうることを確認した上で運営委員会として実施を承認した。理事会で実施が承認された場合、対象を次世代研究者に限定する場合には次世代支援部会が、限定しない場合には共同企画部会(仮称)が担当部会となることが確認された。

15.その他

・次回運営委員会は2010年9月30日の午後2時より京都で開催する。

以上