JCAS:TOPページ > 地域研究イベント情報 > 一般向け講演会 > みんぱくワールドシネマ 映像に描かれる<包摂と自律> 『わが故郷の歌』
主催・共催・その他 | 主 催:国立民族学博物館 |
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種類 | 一般向け講演会 |
対象分野 | 社会・文化(宗教,民族,ジェンダー,移民),言語・文学・芸術 |
対象地域 | 中東・南アジア |
開催地方 | 近畿 |
開催場所(詳細) | 場 所:国立民族学博物館 講堂 |
開催時期 | 2010 年 07 月 24 日 13 時 30 分 から 2010 年 07 月 24 日 16 時 00 分 まで |
プログラム | 「わが故郷の歌」 Gomshodei dar Araq
2002年/イラン映画/クルド語/100分/日本語字幕つき 【開催日】2010年7月24日(土)13:30~16:00(開場13:00) 【監督・脚本/製作】バフマン・ゴバディ 【出演】シャハブ・エプラヒミ アッラモラド・ラシュティアン ファエグ・モハマディ 【司会】陳 天璽(国立民族学博物館・先端人類科学研究部准教授) 【解説】柘植元一(東京芸術大学名誉教授) 福岡正太(国立民族学博物館・文化資源研究センター准教授) [映画解説] イラン・イラク戦争終結後、いまだイラク空軍が爆撃をつづけるクルディスタンを舞台にして、パフマン・ゴバディが製作したイラン映画である。したがって登場人物はすべてクルド人で、語られる言葉も歌も歌詞もクルド語である。主演の老楽師ミルザとその二人の息子を演じる俳優は、いずれも本職のクルド・ミュージシャンである。ミルザが語る「歌(ゴラーニー)は永遠だ。人々から歌は取り上げられない」という印象的な台詞に、低空飛行するイラク軍用機の爆音が覆いかぶさる。ミルザはつづけていう。「この轟音。これも歌だ。イラク軍のね」と。 かつて一座の歌手で妻だったハナレがイラクのクルド人難民キャンプから助けを求めていると告げられ、ミルザは元の妻を捜しに息子バラートが運転するオートバイに乗り込んでイラク国境地帯にでかける。いやがるもう一人の息子アウダも同道させるが、この異母兄弟はどちらもハナレとはなさぬ仲だ。道中で警備隊に捕まった時にツアーの途中だと言い訳できるように、この楽師父子は楽器を積み込んで出発する。この珍道中で彼らが奏でるクルド音楽はいずれも絶妙だ。登場するクルドの楽器は、ミルザが奏でるケマンチェ(胡弓)、バラートが吹くネルメネイ(篳篥)とズルナ(チャルメラ)、アウダが叩くデフ(枠太鼓)など。(柘植元一) 「クルディスタンとクルド人監督バフマン・ゴバディ」 トルコ、イラン、イラク、シリアをまたぐクルディスタンに暮らすクルド民族は、独自の国家を持つことのできない世界最大の民族とも呼ばれ、イラン・イラク戦争など、各国の勢力争いが生む悲劇に見舞われてきた。クルド人監督といえば、トルコ出身のユルマズ・ギュネイの「路」(82)は日本でも話題を呼んだ。イラン出身のバフマン・ゴバディは、アッバス・キアロスタミの助監督などを経て、初長篇「酔っぱらった馬の時間」(00)が、カンヌ国際映画祭で2冠に輝き、続く「わが故郷の歌」(02)、「亀も空を飛ぶ」(04)も賞賛された。いずれも国境近くを舞台に、度重なる紛争下のクルド人、特に子どもたちの痛みを描きつつも、彼らのひたむきな美しさが、深い余韻を残す。(映画評論家・服部香穂里) |
概要 | 国立民族学博物館では、2009年秋から開始した機関研究<包摂と自律の人間学>のテーマにあわせて、研究者による解説付きの上映会「みんぱくワールドシネマ」を始めました。第2期にあたる2010年は、さらに<国境と民族>をキーワードにして、映画上映を展開していきます。今回は、館内・音楽展示リニューアルにもあわせて、国家を持たない世界最大の民族と呼ばれるクルド民族を描いた「わが故郷の歌」です。クルドの生命と愛を力強い音楽で彩った作品を通して、国境で分断されている民族について、皆さんと考えたいと思います。 |
参加費 | 無料(ただし、本館展示をご覧になる方は別途観覧料が必要です。) |
対象 | - |
言語 | - |
連絡先 | ■お問い合せ先
国立民族学博物館 広報企画室企画連携係 〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1 Tel: 06-6878-8210(平日9:00~17:00) |
URL | http://www.minpaku.ac.jp/museum/event/movies1007.html |
その他 | - |