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地域研究コンソーシアム(JCAS)について

 地域研究コンソーシアムは、世界諸地域の研究に関わる研究組織、教育組織、学会、そして地域研究と密接に関わる民間組織などからなる、新しい型の組織連携です。2004年4月、これまで、多くの大学や研究機関などに散らばっていた地域研究の組織や研究者の団体をつなぎ、組織の枠を超えた情報交換や研究活動を進めるために発足しました。2018年8月現在、102の組織が加盟する、地域研究のアカデミック・コミュニティです。

 ここ数年、人文社会系の研究にとっては何かと厳しい状況が続いています。学術界全体の財政の厳しさに加えて、社会に対してより明解かつ説得的にその存在意義を示すことを求められています。そうしたなかで地域研究は、人文社会系の先導的な役割を果たせる領域といえるかもしれません。

地域研究は、環境問題や地球温暖化、災害や感染症、高齢化や階層分化と貧困の深刻化など、グローバルに進行する問題について、分野の壁を越えて対応を考える文理融合的な学際性を備えています。しかしそれ以上に、どのような問題を考えるにせよ他者を理解することは、常に自他の往還を伴います。ある地域にじっくり足場を置いてつぶさに理解するときに、私たちは自らの生い立ちや歴史、価値観を引きずらないではいられません。逆に、他者を知ることは、自己そして自社会の成り立ちを改めて考えさせてくれます。そうしたことから私たち地域研究者の営みの根幹には、多元的な共生の道の模索があります。だからこそ、ボーダーレス化と狭隘な排他主義とが同時進行する今の世界にあって、地域研究は、社会に対して多くのメッセージを届けられるはずです。

 本コンソーシアムは、今後も参加組織の知や資源を幾重にも活かし、かつ、それを新たな知や活力として参加組織に還元することにより、組織や分野、さらには業種も超えて、相互に切磋琢磨して先端的な研究、社会にアピールできる研究、そして社会に働きかけることのできる研究をより効果的に推進し、これを次世代養成、社会連携と相互的に連動させていきます。これまでも参加組織の皆様のご尽力に支えられてきましたが、今後も地域研究にご関心をもつ様々な組織の皆様のご協力により、持続可能な形で、地域研究の更なる発展を目指します。

地域研究コンソーシアム会長
速水洋子(京都大学東南アジア地域研究研究所 所長)