JCAS:TOPページ > コンソーシアム・ウィーク(2011年)
地域研究コンソーシアム(JCAS)では、毎年11月頃をコンソーシアム・ウィークと位置付け、年次集会を含むさまざまなシンポジウムやワークショップを実施しています。JCAS加盟組織の研究者や実務者がそれぞれの持ち味を持ち寄ることで、組織の壁を超えた共同研究を推進するとともに、共同研究のための出会いの場を提供します。コンソーシアム・ウィークのイベントにはJCAS加盟組織に所属していない方でも参加できます。多くの方々のご来場をお待ちしています。
2011年度のコンソーシアム・ウィークには、以下の4つのシンポジウム・ワークショップが実施されます。
趣旨:
東日本大震災には、自然災害(地震・津波)や技術災害(原発事故)だけでなく、情報や知の基盤が損なわれる「情報災害」の側面もある。マスコミや学術研究が発信する情報や知は常に正しいという信頼が揺らぎ、「いま、ここ」でどう役に立つかばかりが問われている。地域研究も、学術研究の一部であり、当然例外ではない。ただし、その一方で、常に現場から現実を捉えようとしてきた地域研究には、既存の研究分野がこれまで対象としてこなかった事象を積極的に意味づけることで、その専門分野の有効性を立て直す力がある。
本シンポジウムでは、東日本大震災において地域研究者が「いま、ここ」でどのように役立ちうるかを考えるとともに、「いま、ここ」から時間や空間を広げて、地域研究の知が災害対応と直結した学術研究とどのように結びつきうるかを検討し、地域研究の専門性を磨くことによる災害対応について考えてみたい。
■日時 2011年11月5日(土)、10:00-11:45(総会)、13:00-18:00(シンポジウム)
■場所 大阪大学豊中キャンパス 文系総合研究棟302講義室
■構成
第1セッション
趣旨説明 上野稔弘(東北大学東北アジア研究センター)
[1]東日本大震災におけるJCAS加盟組織の活動紹介
報告1 長谷部美佳(東京外国語大学)
「多言語情報の発信について」
報告2 寺田勇文(上智大学アジア文化研究所)
「在日フィリピン人被災者支援について」
[2]震災現場での活動
報告1 平川新(東北大学東北アジア研究センター)
「地震災害後の資料保存について」
報告2 吉富志津代(大阪大学)
「阪神淡路大震災と東日本大震災の支援を通じて」
討論
第2セッション
趣旨説明 山本博之(京都大学地域研究統合情報センター)
報告1 西芳実(京都大学地域研究統合情報センター)
「戦争の時代から人道支援の時代へ―スマトラにおける異文化接触の変遷から」
報告2 森山工(東京大学大学院総合文化研究科)
「日常性とカタストロフィ―マダガスカル地域研究から」
報告3 川喜田敦子(大阪大学大学院言語文化研究科)
「戦災と復興をどうとらえるか―戦後ドイツの記憶と記録」
コメント1 峯陽一(同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科)
コメント2 林勲男(国立民族学博物館)
コメント3 大矢根淳(専修大学人間科学部)
全体討論
閉会挨拶
■日時 2011年11月6日(日)、14:00-18:00
■場所 大阪大学豊中キャンパス
A会場:文系総合研究棟302号室
「イスラームが経済に与えるインパクト」
企画責任者:福島康博(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
14:00-14:10 趣旨説明
福島康博(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
14:10-14:55 第1セッション「ムスリム女性のファッション」
大川真由子(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
塩谷もも(島根県立大学短期大学部)
14:55-15:40 第2セッション「ハラール食品」
川畑亜瑠真(京都大学大学院)
今堀恵美(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
15:40-15:50 休憩
15:50-16:35 第3セッション「人の移動」
安田慎(京都大学大学院)
福島康博(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
16:35-17:20 第4セッション「イスラーム金融」
川村藍(京都大学大学院)
長岡慎介(京都大学)
17:20-17:30 休憩
17:30-18:00 総合ディスカッション
B会場:ステゥーデントコモンズ2階 セミナー室
「トランスナショナルな子どもたちの教育を考える―課題解決の方法を探る」
*要事前登録
企画責任者:矢元貴美(大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程)
14:00-14:10 開会挨拶・プログラム説明・前回ワークショップの成果
14:10-17:00 グループ別ワーク(タイトル未定)
ブレインストーミング、対応策(行動計画)を考える、提言に向けてのまとめ
17:00-17:10 休憩
17:10-17:30 全体共有
17:30-17:50 招聘参加者(キーパーソン)からのコメント
17:50-18:00 閉会挨拶
※ このワークショップはJCAS次世代支援ワークショップとして実施されます。次世代支援ワークショップの公募についてはこちらを参照してください。
■日時 2011年11月4日(金)、15:30-19:00
■会場 大阪大学豊中キャンパス文系総合研究棟301講義室
趣旨:
「グローバル化」という言葉は、私たちが研究対象とする「地域」が普遍的で自明な単位でないことに気づかせてくれた。しかし、それはただ「地域」を地球という次元に置き換えて「地域」への眼差しを問い直せばことたりるといった次元の問題ではもちろんない。「グローバル化」という言葉は、近代以降の学知が依拠してきた「地域」を認識する枠組みがある種のだまし絵として描かれてきたいことを明らかにしている。
本シンポジウムでは、「地域」認識の枠組みそのものを再考するうえでの有力なヒントを含む4つの研究を手がかりに、近代的な「地域」認識の枠組みを一方では現在と過去の対比から、他方では見る者と見られる者の対比から相対化し、それを取り去った後に見えてくる「地域」への眼差しのあり方(あるいはもう一つのだまし絵)について何らかの展望を得たいと考えている。
■構成:
司会 宮原曉(大阪大学グローバルコラボレーションセンター准教授)
報告1 古谷大輔(大阪大学世界言語研究センター准教授)
報告2 齋藤剛(神戸大学大学院国際文化研究科准教授)
報告3 山根聡(大阪大学世界言語研究センター教授)
報告4 床呂郁哉(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授)
ディスカッサント
中川理(大阪大学グローバルコラボレーションセンター特任准教授)
村上忠良(大阪大学世界言語研究センター准教授)