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JCAS社会連携プロジェクト「研究・教育=NGO/NPO人材交流プロジェクト」

社会連携部会では、地域研究コンソーシアム(JCAS)の加盟組織(または加盟組織に所属する個人やグループ)が行っている地域研究の社会連携活動を「JCAS社会連携プロジェクト」として紹介しています。JCAS社会連携部会プロジェクトについては社会連携部会のページをご覧ください。

プロジェクト幹事: 石井正子(大阪大学グローバルコラボレーションセンター・特任准教授)
プロジェクト期間: 2004年度~2010年度
(2004年度から2009年度までは、「災害対応の地域研究プロジェクト」と合同で社会連携研究会として活動していました。2009年度までの活動については「災害対応の地域研究プロジェクト」のページもご覧ください。)

「研究・教育=NGO/NPO人材交流プロジェクト」が目指す活動

社会連携部会の前身である社会連携研究会では、さまざまなJCAS加盟組織がどのような連携を展開できるかについて検討してきた結果、地域研究の可能性を広げ、地域に関する専門的な知識を社会に還元し、さらに世界の諸地域で活動する日本の市民社会を発展させるために、研究・教育機関とNGO/NPOとの連携を進め、研究会・シンポジウムの共催や双方の人材交流を進める活動を行ってきました。

本プロジェクトでは、「災害対応の地域研究」プロジェクトの協力のもと、とくに大規模自然災害に直面した社会に対する緊急人道支援・復興支援の現場における研究・教育とNGO/NPOの人材交流を以下の4つの活動の柱により進めてきました。

  1. 緊急・開発支援に関する研究会・シンポジウムの共催
  2. 研究者のNGO/NPOへの短期間・長期間派遣(緊急・開発支援や活動評価、専門的知識の提供が必要な場合など)
  3. NGO/NPOの緊急・開発支援に対応できる地域研究者の人材登録制度の創出
  4. 研究・教育組織におけるNGO/NPOでの活動経験の有効活用

地域研究とNGO/NPOが連携する理由

〈地域研究者にとって〉
 グローバル化の時代、世界の諸地域では、国家に加えて、国際機関、NGO/NPO、企業などの多様な人びとのネットワークがダミナミックに動いています。今日の地域理解はこれらの活動を包摂した視野をもたなければ成立しません。地域研究者にとって、NGO/NPOとの連携は、研究対象地域を多角的に考察し、地域社会の動態を理解するうえで貴重な知見をもたらします。実践的な関わりから生まれる知識を積みあげるとともに、より現実的な社会への提言を行う感性を培う貴重な機会になります。

〈NGO/NPOにとって〉
 NGO/NPOは、地域の実情に見合った活動を展開するために、活動地域の文化や社会に関する知識を必要とします。しかし、実際の活動の現場では、その地域社会に関する多角的な情報を収集している余裕はありません。NGO/NPOによる活動から研究者による研究成果にも優る深い知見がうみだされることもありますが、それらを有効に社会に伝える機会は限られています。地域社会と対等な目線で活動を行い、活動の質的向上を実現しつつ、実践知を市民社会に還元するうえで、研究・教育機関との連携はNGO/NPOに大きなブレークスルーをもたらします。

活動経緯

シンポジウム

2008.12.22 開かれた社会への支援をめざして:インドネシア・アチェ地震津波支援に対する学際調査より
2008.01.12 継ぎ目のない、垣根のない人道支援を目指して:2007年東ティモール学際調査研究の経験から
2005.04.09 緊急支援から地域再興へ:インド洋地震・津波災害と地域社会

ワークショップ

◆文部科学省・世界を対象としたニーズ対応型地域研究推進事業「人道支援に対する地域研究からの国際協力と評価」との共催ワークショップ

2010.05.14(第15回) 心理社会的ケアワークショップ:心理社会的ケアとは何か
2010.04.28(第14回) ジェンダーワークショップ:評価と研究から学ぶ
2010.02.02(第13回) ジェンダーワークショップ:開発支援から学ぶ
2009.11.27(第12回) ジェンダーワークショップ:人道支援から学ぶ
2009.10.20(第11回) 心理社会的ケアワークショップ:心理社会的ケアと青少年活動の違いについて;心理社会的ケアの評価方法について
2009.10.05(第10回) ジェンダーワークショップ:ジェンダーに配慮した支援戦略
2009.07.27(第9回) 心理社会的ケアワークショップ:中国四川省地震支援報告
2008.12.04(第8回) ペルー地震被災者支援モニタリング調査・報告会
2008.06.27(第7回) 第2回アチェフィールド調査準備会
2008.05.26(第6回) 第1回アチェフィールド調査準備会
2007.01.12(第5回) 緊急人道支援における効果的支援のあり方:「コミュニティの回復力」を高める-スワジランド干ばつ被災者支援の経験から
2007.12.04(第4回) 2007年スマトラ島南西沖地震被災地の合同調査の経験から
2007.01.19(第3回) 文献から見る人道支援:災害対応における人道支援と地域研究の連携の可能性と課題
2007.01.15(第2回) 人道支援情報の蓄積・共有化と活用:被災社会との『共生』を実現するために
2006.12.19(第1回) 人道支援の評価

◆その他のワークショップ

2010.06.06 学術研究と人道支援:2009年西スマトラ地震で壊れたもの・つくられるもの (東南アジ学会第83回研究大会パネル)
2009.11.25 支援の現場と研究をつなぐ:2009年西スマトラ地震におけるジェンダー、コミュニティ、情報(東南アジア学会主催緊急研究集会)
2007.10.05
ドキュメンタリー映画「象の間で戯れる」鑑賞会 アチェ州津波のあとの住居再建プロジェクト
2006.07.17 地域研究者は被災社会に対して何ができるのか?:スマトラ沖地震・津波災害、パキスタン北部地震、ジャワ島中部地震に対する地域情報発信の経験を通じて(JCAS社会連携部会ワークショップ)

難民映画上映会 in 関西

2009年6-7月@京都 「ビルマ、パゴダ」
「ガーダ パレスチナの詩」
「バックドロップクルディスタン」
2009年6-7月@神戸
「大地に響く歌」
「ガーダ・パレスチナ」
「Invisible Children」
「難民 故郷をはなれて」
2008年7月5日@大阪 「引き裂かれた祖国題(Iraq in Fragments)」
2008年6月26-28日@京都 「私を忘れないで:ダルフール難民キャンプの子どもたち」
「引き裂かれた祖国(Iraq in Fragments)」
「スーダン難民による映画」
「パレスチナ1948・NAKBA」

人材交流

◆ジャパン・プラットフォームの人道支援事業に対するモニタリング調査への地域研究者の紹介

2010.03.22-26 スマトラ島西部パダン沖地震支援事業モニタリング調査
山本博之(京都大学地域研究統合情報センター・准教授)
2009.12.14-19 フィリピン水害支援モニタリング調査
木場紗綾(神戸大学国際協力研究科・博士後期課程)
2009.11.12-12.12 スーダン南部人道支援モニタリング・評価調査
石井正子(大阪大学グローバルコラボレーションセンター・特任准教授)
2008.08.16-22 ペルー地震被災者支援モニタリング調査
内藤順子(日本学術振興会・特別研究員(PD)/日本女子大学人間社会学部)
2008.01.14-26 スーダン南部人道支援最終モニタリング調査
栗本英世(大阪大学グローバルコラボレーションセンター・教授)
2007.09.14-20 スマトラ島南西沖地震初動調査
山本博之(京都大学地域研究統合情報センター・准教授)
西芳実(東京大学大学院総合文化研究科・助教)

◆報告会・研究会などへの地域研究者の紹介

2010.05.20 日本アフガンニスタン市民社会サポートファンド勉強会
呼びかけ団体:日本国際ボランティアセンターなど
山根聡(大阪大学世界言語研究センター・教授)
2009.01.23 ミャンマー・サイクロンと中国・四川地震: 被災者支援報告会 in 関西
主催:ジャパン・プラットフォーム
飯國有佳子(国立民族博物館・外来研究員)
思沁夫(大阪大学グローバルコラボレーションセンター・特任助教)